” THE PIANO ” HERBIE HANCOCK

先日、お世話になっている電気屋さんの倉庫に行った時、偶然発見しサルベージした数本の「ミュージックテープ」と生カセットテープ。その中にひと際わざとらしく輝く1本が…

それがこのテープ。何と!SONYのマスターサウンドシリーズのカセット版であった!

「説明しよう!マスターサウンドとは、SONYレーベルの音楽ソースの中で、優れた録音がされたものをピックアップし、マスターテープからデジタルリマスタリングをかけ、最大の録音技術を駆使して制作されたレコードのことなのだ!」

もちろんそのシリーズの中に、ミュージックテープ(カセットテープ)があったのを知ってはいた。しかしながら、お目にかかるのは初めてだ。

しかもメタルテープに録音されている!ハーフ上部にメタルテープの検出穴が開いていないので、初期のメタリックであろう。しかし、経験上、ミュージックテープは劣化しているものが多く、盛大なビブラートがかかるものや、ワウフラッターのお手本のような音になっているものがほとんどだ。であるので、まともに再生できる確率はかなり低い。恐る恐る、リファレンスデッキであるTEACの6030にテープを入れ、再生する。

古いデッキの方が良く似合う!

か細いピアノの音が再生される。音が小さいのでボリュームを上げる。このくらいかなと、本腰を入れて聞いてみる。どうやらテープのコンディションは奇跡的に良好のようだ。静寂の中から、ピアノの音が立ち上ってくる。ふと、これがカセットテープの音であることを思い出す。ほとんどヒスノイズが聞こえない。ドルビーはBである。レコードを介さずに録音すると、こんなにも音が違うのか!驚きである。

ハービーハンコックのピアノは素晴らしいのかもしれないが、普段からJAZZを聞かない私には、今一つ分からない。A-1には、「MY FUNNY VALENTINE」が録音されているのだが、良く知っている曲なのに、途中まで何の曲かわからなかった。私からすると、「ハービーハンコックが、 MY FUNNY VALENTINEっぽくピアノを弾いてみた。」程度の理解しかできない。

音楽に関してはそんなチープな理解力しかない私だが、このテープのすばらしさはよくわかる。このテープをこれ以上劣化させないで保管するにはどうしたらよいのか、それがひとまずの課題となる。