はじまりは巨大な金魚…

我がキカイの館において、唯一の生身の生き物が、3つの水槽に住む魚たちだ。私とこの魚たちとの腐れ縁は、10年ほど前から始まった。メインの90センチ水槽自体は、40年以上前から我が家にあった水槽。底面までが2重ガラスで、金属枠の重量級。様々な魚がいれ変わって飼われていたが、10年ほど前の当家のお家騒動(父親の会社倒産に始まる当家最大最悪の大騒動)の時には、この2匹だけが生き残っていた。この段階で、齢10年を軽く超える、巨大金魚だった。もともとは縁日の金魚すくいで、近所の子供がすくってきたものらしい。

私がかかわるようになるまでは、特に飼育担当者は存在せず、原始的なろ過装置が一つ乗っているだけのシンプルな水槽。何年も水など替えていないだろうし、定期的にエサを与えていたのかどうかさえ疑問である。外に置いてあったが故に、水は濃い緑色で、中に何がいるのかはまるで見えない状態。家の引っ越しに合わせ、移動するために水を抜いて掃除をし、一時だけきれいになったのが、上の写真の状態。やはり屋外への設置(夏場で日当たり良好)であったので、ものの数週間で元の緑水に戻ってしまった… 清掃と同時に入れた投げ込み型フィルターも効果なし。緑色は絵の具なんじゃないかと思われるほどに、フィルターをすり抜けるので、持ち上げたフィルターは真っ白だった。

めんどくさがり屋だが、命に対してはしつこいのが私の性格だ。ここから現在に至る、金魚水槽との長い戦いが始まった。