” The Stone Poneys” The Stone Poneys Featuring Rinda Ronstadt

ようやくこのアルバムを手に入れることができた。リンダロンシュタッドを語る上で欠かすことができない、ストーンポニーズ時代のアルバムだ。

録音は何と1967年1月、当時私は1歳にもなっていない!そして、リンダは21歳だ。このアルバムが、ポニーズとしての最初のアルバム。そのあとのアルバムが2枚あるらしい。この手の古いレコードは、中古市場でも数が少なく、まして良品にはなかなか出会えない。

このレコードは、近所のリサイクルショップの新着コーナーの中から発見した。盤面には傷らしい傷はなく、白っぽく平坦に反射して見える。再生回数の少ないレコードの特徴だ。軽くクリーニングして針を落とす。気持ち多めのスクラッチの中から出てきた音は…これは予想以上だ。ボーカル、楽器の定位はバチッときまり、臨場感も申し分ない。もしかしたら、マルチトラック録音ではないのかもしれない。そして、男性ボーカルとハーモニーを奏でるリンダの声はとても新鮮だ。

好きなアーティストのアルバムなので、ひいき目に評価しているかもしれないが、それを差し引いたとしても良い出来だ。50年以上前の録音とは思えない。曲そのものは、大きなヒットに繋がるほどのキャッチーな物はないが、音楽好きには是非聴いてもらいたいほどの生々しい録音だ。スピーカーをA+Bに切り替え、目を閉じると、トゥーソンのさびれた酒場で演奏するポニーズとリンダが目の前にいるようだ。

針先には盛大に埃が詰まる。

A&B通して聞いた後は、溝掃除用のプレーヤーにかけておいた。盤の溝にはかなり汚れがつまっているために、スクラッチが盛大に出る。さらに2周ほど回すと、スクラッチはかなり収まった。もう一息で本来の音質に戻るだろう。このレコードと同時に、以前レビューを書いた”Don’t Cry Now”の良盤も買うことが出来た。おそらく、同じコレクターからの買取品であろう。こうして、私の元で更なるエージングが重ねられるのだ。