” LUSH LIFE ” Linda Ronstadt

このアルバムは、リンダのスタンダード3部作の2番目の作品。最初の”What’s New “で衝撃を受けたファンも、良い意味での新境地を受け入れた上で、楽しみにしていたアルバムだったと思う。

一般的に馴染みの薄いスタンダードナンバーとは、時代を超えて歌い継がれていく歌のことである。スタンダードとなるには特に決まりごとはなく、何人かに歌い継がれれば、スタンダードとしてカテゴライズされて良いと思う。その歌は、映画の挿入歌であったり、ジャズやポップスの名曲であったりと様々だ。特にオリジナルナンバーそのままに歌う必要はなく、シンガーなりの解釈とアレンジを加えても問題はない(のだと思う)。その時代ごとの歌い方と解釈があっても良い所は、クラシックのそれよりはやや柔軟性があるように思う。

さて、本題のアルバムである。映画音楽であれば、役者の演技に水を差すような歌い方はできないものである。しかし、スタンダードとして昇華されていれば、そこはお構いなし。誰に遠慮するでもなく、リンダ節全開である。人によっては、くどい歌い方と揶揄されそうなリンダの歌ではあるが、前作を軽々と上回る歌力には震えがくる。まだ上があるのか?というのが正直な感想です。リンダの歌に付かず離れず、適度なボリュームと切れでサポートするネルソンリドル率いるオーケストラは、円熟の極みのなせる業。録音&カッティングも素晴らしいので、私のお気に入り&サウンドチェック盤なのです。