” 90125 ” YES

謎の数字のタイトルが付けられたこのアルバムは、イエスのアルバムの中で最も知名度の高いアルバムであろう。前の投稿からの流れではあるが、バグルスのトレヴァーホーンがプロデュースしたアルバムである。どちらかというとプログレッシブロックにカテゴライズされ一部のDEEPな音楽好きにのみ認識されていたイエスだが、このアルバムにより、広く一般の音楽好きにも知られることになった。

海外のアーティストにとってのプロデューサーというのは、日本の音楽業界でのそれとは少し意味合いが違うのだと思う。ここから先は、私の個人的解釈ですのであしからず。

我が国での音楽プロデューサーは、あまり前に出てこない。そこそこ高名なアーティストが、全く自分たちの音楽性とは関係ないグループをプロデュースしたりするのこともあるが、音楽やグループの方向性そのものに影響を与えることはほとんどないと思われる。要は話題作りのようなもので、プロデュースを任されたアーティストにとってはオシゴトであろう。もちろん、専業プロデューサーもいるが、業界レベルで名が知れていても、ジャケットに大きくクレジットされたりはしない。

海外のプロデューサーは、よりアーティスト寄りの存在である場合が多く、同じジャンルのアーティストであったり専業であったりするのだが、ジャケットに堂々と、アーティスト名と同じ扱いでクレジットされていることもある。楽器やボーカルと並列の扱いともいえる。専業であっても、世界的に有名なプロデューサーも数多く存在し、アルバムの制作にあたっても、かなり踏み込んだ仕事をするようだ.。グループのスタイルと、プロデュースがかみ合うと、素晴らしいアルバムができることが多い。

前置きが長くなってしまったが、このイエスのアルバムはまさにプロューサーとグループの化学反応が臨界に達した例である。