SONY TC-U40修理 ②救世主の降臨!

先にFacebookにはアップしたのだが、我がキカイの館にもついにオーディオ専用計測器がやってきた!

その計測器は、カセットチェッカーである。これは東芝の修理サービス店用の製品で、近所の廃業した電気店さんから譲り受けた品。他にもいくつかの計測器を頂いており、機会があれば紹介していこうと思う。

テープスピード計測中

さて、カセットデッキ を耳だけを頼りに調整するには膨大な作業工程と工夫が必要だった。まず、その調整が値的に正しいのかどうかすらわからない。この計測器は、館での修理作業に革新的な進歩を与えてくれるだろう。この計測器の機能を簡単に説明しておこう。まずは付属のテストテープを使って、テープスピード、ワウフラッター、アジマスが計測できる。メーターは電圧計も兼ねているので、幹電池の電圧も測ることができる。「何でそんな機能が?」と思われる方も多いと思うが、実は重要な機能。時は40年ほど前、町の電気屋さんに入ってくるカセット製品の修理は、大半がラジカセであったと思う。たくさんの電池を入れて駆動することもできたラジカセ。電池は高価であり、その性能の劣化は、直接ラジカセの性能に影響する。であるから、電池の電圧を測定するのは重要なことだったのだと推測する。そして、この計測器は何と、3種類の周波数を出力する発信機も内蔵している。これで、テストテープを更新したり、録再のレベル調整もすることができるはずである。

早速、諸々の値を計測してみる。まずは3kHzのテープを再生して、テープスピードの計測。誤差はあまりなかったが、適正値に調整する。お次は同じテープでワウフラッターの測定。いやいや、これは酷い。メーターが悪い方に振り切れてしまった。そして、10kHzのテープでアジマスの測定。おそらくテストテープの状態が悪く、正確に数値を読めない。

では早速、発信器を使ってテストテープを作成することにした。当館のリファレンスデッキ、TEACの6030Sを出してきて、新品の10分テープで録音開始。おやおや、何かおかしい?発信出力が安定していない。どうも、この機能はお亡くなりになっているようだ。しょうがないのでノートPCに発信器ソフトをインストールし、そこからヘッドフォン出力でPCとつなぎテープを作成した。このテープを使い、まずはリファレンスデッキの性能チェック。さすがにメーカーサービスを通ったデッキは優秀で、テープスピード、ワウフラッターはきっちり基準内に収まっている。アジマスにいたっては、いまいち数値の見方がわからないので保留としたが、やはり数値で計測値が確認できるのはありがたい。修理中のU40も同テープにて再計測し、やはり問題は振り切れてしまうワウフラッターであった。