SONY TC-U40修理 ①

いつ買ったのか覚えもないのだが、手持ちのカセットデッキの修理を始めた。

このカセットデッキは、ソニーのTC-U40。1980年発売。懐かしのピアノキー式のデッキだが、メタルテープには対応していて、LEDピークレベルメーター装備という新旧混合のよくわからない機種だ。症状は、キーを押しても動かないというよくあるトラブル。まあ、ベルト切れだろうと思いカバーを開けると、その通りだった。正直、デッキの修理は初めてなので、手探りで進めることになる。ベルトは汎用品の中から使えそうな物を選定する。ゴムベルトなので、少々サイズが違っても取り付けはできる。フライホイールに掛かるキャプスタンベルトは同じ幅のものがなかったので、少し狭いもので代用する。その分厚みがあるので、ツーペイではないかとも思う。

取り敢えず見えている2本のベルトを交換して、手持ちのテープを再生してみる。音は出るが、ワウフラッターが酷い。ベルトのテンションが足りないようだ。2本とも少しきついベルトに交換すると、だいぶワウは収まった。しかし、エコーの効いた高い音の楽器などは、盛大に歪む。他にも何か原因があるようだ。

あまり関係は無さそうだが、カセットメカを外して、カウンターベルトも交換する。あまり変わらないかな?計測器などは持ってないので、長年鍛えた聴覚だけを頼りに進めている。追い追い計測器関係も揃えていきたいところだ。そうそう、アイドラーの点検をしていなかった。アイドラーは清掃し、バックテンションアームは動きを確認する。バックテンションはスプリングの懸け位置により4段階にテンションを変更できる。かなりワウの出方に変化が出る。自己録再によるチェックではだいぶ良いところまで追い込めた。が、まだワウが出る。

これはメカ屋としての想像ではあるが、モーターのトルクが低いため、ベルトの厚さ、長さからくるテンションと、バックテンションアームのスプリングの掛け位置により、ワウフラッターの出方が変化するようだ。テストに使っているテープもリールの重い120分なので、更にシビアな条件になっているのだと思う。とても素直な音のよいデッキなので、もう少し追い込んでみようと思う。