ラジコンバギーの修理

知り合いのお母さんから、息子のラジコンを修理してほしいとの依頼。断る理由もないので、気軽に引き受けた。症状は、「動かない」ということだ。ま、そうだよね… ちょっとオーディオ修理で行き詰っている案件があり、手を付けるのが遅くなってしまった。気分転換に始めてみよう。

さて、何から始めようか?ラジコンを触ること自体久しぶりだ。しかし、今どきのラジコンはすごいね。4WDですよ。とりあえず、バッテリーを充電しよう。バッテリーは2セット入っていた。何と、Ni-Cd(ニッカド)ですよ、古いっすね。

電源につなぐと、充電アダプターのパイロットランプが点かない。電圧を測ると、既定の4.8Vが出ていない。アダプターは分解できる構造なので、中を見てみる。ショートや断線はないようだ、コンデンサなども外して測定するも問題なし。どうも、3本足(トランジスタ)の奴らが原因みたいだ。この辺に手を付け出すと面倒なことになるので、アダプターの修理はやめる。とりあえず充電してみたいので、ハドフで5Vで2400mmAくらいのジャンクを掘ってきた。端子を付け替えて、電源につなぐ。充電が始まった。このアダプタは330円。8時間ほど充電して、車体に付ける。ギュル…とちょっとしか回らない。バッテリーもダメだ。さすがに新たにニッカドバッテリーを買うわけにはいかないので、密林で物色。リチウムイオンの充電ケーブル付きがあったので注文、1200円。到着したバッテリーでチェック。元気に動くようになった!?いや、まだだった。操舵が効かない。

お次のチェックは、プロポと受信機。プロポのハンドルを回すと、操舵のサーボユニットに電圧は出ている。さて困った。サーボユニットか…こいつがダメだと手詰まりだ。あきらめるしかない。ダメもとでユニットを外し開腹してみる。すると、さすがお安いおもちゃだ。普通の小さなモーターで、減速ギヤとクラッチ構造のアームを動かして操舵する仕組みだ。これならいけるかもしれない…モーターの端子には電圧が来ている。モーターは動こうとはしてるみたいだ。焼けてはいないな…開けるか…モーターボディーのカシメを起こして分離する。小さなブラシがグリスまみれでシャフトに触れている。グリスを除去し、新たなグリスを塗り接点を修復する。開けたところでこれくらいしかできないので、組みなおして安定化電源から電圧を入れてみる。ちょっとピニオンを触ると元気に回り始めた。

サーボを組み立てて、念のため基盤の配線の半田も修正しておく。触っただけで取れてしまう線もあったからだ。組み立てて動かすと、操舵も効くようになったなった。完成である。

このラジコンバギー、子供が遊んだおもちゃにしては結構きれいで、元箱もある。オーナーは物を大事にできる子供のようだ。これでしばらく遊んでくれると、メカニック名利に尽きるというものだ。部品代も安く直ってよかった。子供のおもちゃの修理は部品代以外もらわないことにしてるので。さて、主戦場(オーディオ修理フィールド)へ戻るか!