スピーカーシステム入れ替え Victor FB-5 その①

VictorのFB-5という古いスピーカーを入手した。今回はその運用までの記事です。

バックロードホーンという形式のスピーカーは、市販品ではとても珍しい。しかしながら、今は亡きオーディオ評論家である長岡氏の功績により、自作スピーカーではメジャーな形式である。かくいう私も、学生時代は氏設計のスワンをサブロク合板から、特売で買ったRYOBIのジグソーで切り出して自作したりして、悦に入っていた一人である。

10センチフルレンジ1発のスワンは、当時の私を驚かせるに十分な性能を誇っていた。それまで使っていた、Victor のZero5fineに匹敵する(ように当時は聞こえた)鳴りっぷりであった。その当時の記憶から、市販のバックロードはどんな音なんだろう?という興味はあった。ここ最近、オーディオ全盛期のコンポをあちこちのハドフに買いに行くと、かなりの確率でFB-5に遭遇する。市販のバックロードは、Victor のFB-5とFB-7以外は記憶にないのだが、当時よほど売れたのか、FB-5は3回ほど遭遇したことがある。しかもどこでもお値段は諭吉さんでお釣りがくる程度。買わなかったのは、その大きさとコンディションだ。片側で一人暮らし用の冷蔵庫くらいのサイズがあり、程度はかなりズタボロが多い。車に入ったとしても、館のどこに置くんだい?という自問自答の末に、毎回買うのは見送っていた。

しかしついにXデーが来てしまった。自宅直近のハドフで遭遇したのだ。しかも程度は割と良い。いや、47年前のスピーカーにしては極上といえるだろう。お値段は、やはり諭吉でちょっとお釣りがくる。その日は買わずに帰り、「次行ってまだあったら、買ってやっても良い」という上から目線の理由をつけておく。数日後、車にスピーカーを詰め込んでいる私がいた。タントの後ろをフルフラットにすると、ぎりぎり2台入った。館に搬入すると…やはりでかい…

まあ、買ってしまったものはしょうがないのでとりあえず音出ししてみる。おや?一応両チャンネルから音が出る。ハドフのジャンク札には「片側から音が出たりでなかったり」と書いてあったと思う。よく聴くと、片側の音が小さいのが分かった。アッテネーター不良かな?と思い、アッテネータをスルーして繋いでみても、やはり少しおかしい。

お次は、コンデンサ交換。50V3.3μFにしては巨大な、ELNAのコンデンサが使われている。現行のオーディオグレードの相当品は、写真の通り。大丈夫なのかと心配になる。でも、これもハズレで改善されない。ユニットを入れ替えても変わらないので、いっそのことネットワークを新設することにした。

その②につづく