”信州サイクルロゲイニング2022_安曇野Stage”参加記

地図を読みながら指示された場所を徒歩やジョギングで巡り、ポイントを競う競技がある。ロゲイニングという。その自転車版がサイクルロゲイニングである。

ロードレースやヒルクライムとは違い、自転車を使うイベントしてはゆるい方であるので、いずれどこかのイベントに参加しようと思っていた。今回、乗鞍仲間の友人がプランナーをしているイベントが安曇野で開催されるというので、参加することにした。

イベントには興味津々なのだが、地図を読むのは、正直苦手だ。加えて、私は方向音痴だ… まあ、何とかなるだろう。と、いつもの楽天MAXな軽いノリでエントリーページを開く。しかも今日は締め切り日当日。必要情報を入力すると、定員に達したということもなく、するする進んで決済完了。5月の吉日、当日を迎えた。今回持って行った自転車は、プジョーの安いフレームを使った自作クロスバイク。のんびり走るのには最適な相棒である。

できれば、前泊や後泊などをして、心と体をフルに休めたいところだが、今回は諸般の事情により、がっつり日帰りで臨む。集合場所は、安曇野市の碌山美術館に併設する碌山公園研成ホール。朝7時に到着すると、誰もいない… 集合場所を間違えたかと思い確認すると、ここでいいようだ。しばらくすると、ぽつぽつと参加者が集まってくる。どうやら、私の予想以上に小規模なイベントらしい。プランナーの一人である友人にも再開し、しばし談笑。コースの話などは全くせず、不正はなかったことを付け加えておきたい(笑)。

さて、定刻となりホール内でオリエンテーションが始まった。私が参加するのは、表彰も何もない5時間エンジョイコース。タイムアウトのみが唯一の縛りとなる。説明されるのは主に交通ルールに関してだが、原付に準ずる自転車の交通ルールを理解していない人がいるのには驚いた。自転車で車道の右車線から右折するなど、自殺志願者のすることである。そういう認識の人が今も生きていられるのは。「車が避けてくれてるから」である。多くの命の恩人たちに感謝してもらいたいものだ。

出発前に渡されるのは、5万分の1の地図のコピーにコントロール(ポイント別目的地)が示されたものと、コントロールごとの写真とポイント数が書かれた紙が1枚。かつて学生時代にサークルで旅行していた時、5万図は大いに役に立った。しかし、それは山の地図の場合。市街地の5万図はというと…等高線より多い道が無数に書いてある。はい、まるで参考になりませんね。「なんとな~く、この辺だよ~」くらいのゆるさである。スタート地点も表示はされているが、さっぱりわからない。まあ、地図読みイベントとはこういうものなのだろうと納得する。私は方向音痴のくせに意地っ張りであるので、とりあえずは携帯のナビは使わずに行くことにする。尚、コントロールへの到達証明は、その場所での写真を撮ること。自転車や本人が写ってなくても、場所がわかればOKとのこと。

9時になり、参加者はゆるゆるとスタートを始める。グループ参加の家族や友人同士の方もおり、和やかである。年齢層は子供を除けば40代と思しき人が多い。私も適当なタイミングでスタートした。

さて、安曇野界隈を車でうろうろすることはあるが、この辺りは全くわからない。まずは集団に引っ張られないように、わざと裏路地に入る。地図上のスタート地点からの道を見ようとするが、案の定全くわからない。まずは、50番の高千穂陶芸会館を目指そうと思い出発するも、皆目見当がつかない。やむなく地図アプリにて確認すると、ずいぶん南に降りてしまったようだ。ともかく足掛かりとなる最初のポイントにたどり着かないと、脳内マップが起動しない。おそらくは5倍くらいの距離を走行して、何とか会館に到着。写真を撮り次の目的地へ。

最初のコントロールにたどり着きさえすれば、次の目的地までは比較的楽に行けるはず… であったが… さすが、天性の方向音痴である。次のコントロールに向かう道中も盛大にコースミス。出発地点からほど近いところなのだが、どんどん遠ざかっていたらしい。またもや携帯ナビのお世話になり、ようやく目的地へ。ちなみに自転車には簡易コンパス、手持ちでシルバコンパスを持って行ったが、あまり役には立たなかった。見てもいないしね!

そんなこんなで、盛大なミスコースを繰り返す自分がおかしくてしょうがない。携帯のナビを終始使ってしまうとバッテリーもなくなってしまうし、写真も撮れなくなってしまう。ここは準備不足と言わざるを得ない。結局、獲得したコントロールはわずか7か所。途中、盛大にチェーンが外れ、アウターギヤとチェーンステーの間にがっちり噛んでしまうメカトラ発生。せっかく塗ったフラームに、ガリガリ傷を付けながらチェーンを引きずり出し、何とか復帰。しかし、トラブルはこれだけではなかった。時間的にそろそろやばくなったので、スタート地点に戻ることにする。自分にしてはかなりのペースで幹線道路を走っていると…

突然、後輪からものすごい振動が伝わってきた。「これはやばいやつだ!」と私の経験値が警鐘を鳴らす。慌てて自転車を降り、タイヤを確認。ピカピカの何かが、タイヤに刺さっている。釘だ…しかもかなり長い。4センチくらいか。慎重に引き抜くと、幸いなことにタイヤ表面に水平に刺さっていた。チューブには達してないので走れる!

気を取り直して先を急ぎ、残り時間2分ほどでゴールすることができた。パンクしていたら、間違いなくタイムアウトだった。順位なしとは言え、タイムアウトはちょっと嫌だ。

閉会式の前に、回ったポイントを自己申告してポイントを集計する。自分が何ポイントかはもちろん忘れた!私が参加したクラスは表彰式はないので、地元産のお米や山菜などのプレゼントは、じゃんけんによる争奪戦。私は、最後のほうに残った山菜をいただいた。

終始、和やかな雰囲気でイベントは進み、安曇野のさわやかな空気を堪能した参加者は、三々五々に帰路に就く。こんな緩い自転車イベント参加は初めてだったが、サイクリングやロゲイニングのすそ野を広げてくれる可能性があるイベントである。まわりに周知するとともに、機会があればまた参加したいと思います。