そして、SL-1400MKⅡ修理の巻

動作品で買ったプレーヤーがいきなりの針飛び&リピート。そのあと、リフター周りをチェックしていたら、「バキ…」という音と共に、リフターも不動に…

ま、中古品ですからね。そんなこともあります。さてさて、しょうがない、やりますか!プレーヤーの修理は、まず本体をひっくり返すことから始めなければならない。プレーヤーは、その構造上、裏返して置くことはできない。いずれ整備台は作るつもりだが、当面の手段として、アクリルカバーを取り外し、それに養生かけて裏返して、そこに本体を逆さまに置くことで、とりあえずの作業台としている。

インシュレータ一体のダイキャストベース

さて、このテクニクスのプレーヤーだが、いきなり変わった構造だ。普通のインシュレータが付いていない。インシューレーターに見えるのはただの足で、その奥のダイキャストのベース全体がインシューレーター構造になっていてアームとプラッターを浮かせている。設置した状態で、上からトーンアームのベースを押すと、一体でフローティングされているプラッターも動く。こんな構造のプレーヤーは初めてだ。

上左側が、オートリターンメカ

さて、そのダイキャストベースを取り外すと、アームのオートリターンを司る樹脂製のメカニズムが顔を出す。このプレーヤー、オートマチックをうたってはいるがフルオートではなく、オートリターンのみである。この樹脂製メカはアームベースとダイキャストベースに挟まれているだけなので、コネクターを数カ所外すと、取り外すことができる。これでやっとアームベースの裏側にアクセスできる。しかし、アームが抜けない…どうやらアームのウェイトも完全に外さなければ抜けないようだ。

ようやくアームベースを分離し、チェックを始める。リフターを動かす部品に補修跡が見える。どうも接着剤で割れた部品を補修したものが、再破損したらしい。音飛びの原因らしいものは見えないので、先にリフターを完全に治すことにする。

まずは破損した部品に付いている接着剤を除去し、割れた樹脂部品をプラリペアで修理する。プラリペアは接着剤と違い化学的に結合するので、元の母材強度に匹敵する結合力が得られる。しかし困ったことに、接着剤を取り除いた表面は荒れており、元々の形状が想像できない。おそらく半田で溶かした後で、接着剤を盛ったのだろう。割れた部分をただ接着すればいいのか、どの部品と接触して機能するのか、理解するのに少々時間がかかった。

何度も組んで動きを確かめて、またバラして調整する。仕事から帰ってのわずかな時間を使い数日かかったが、何とか組み上げて動作確認をしてみる。手動のアームリフターは正常に作動し、リターンの際のリフターの動作も大丈夫だ。修理中に気が付いたのだが、音飛びの原因は過去に修理された部分が関係していたようだ。

盛り上げられた接着剤がアームの回転動作を妨げていたのだと思う。というわけで、音飛びも今回の修理で完治した。前回通しで聞けなかったランディーマイズナーのアルバムもご機嫌に再生できた。さて、次はSONYのX6の修理にかかりますかな。